米国の医療習慣について (American Medical System)

 米国では、ひとつの建物の中に多くの医師が軒を連ねて開業している場合がある (Medical Facility)。 日本に見受けられる、“町中の一軒”といった開業医もいるが、このように多くの医師が集まっていると、夜間の受けつけ体勢が取りやすいばかりではなく、レントゲンやラボの集約化がしやすいなどの利点も兼ねそなえている。またその多くは、総合病院と直結している。
 医療分業は、米国の医療制度の基本となっている。 これは、日本のように病院で診療後薬をもらい、合わせて会計するのと違い、診療後医師の書いてくれた処方箋 (Prescription) を薬局 (Drug Store, pharmacy) へ持参し、調合してもらう。 薬局には、処方箋がなくとも買える薬があるが抗生物質の類は、医師の書いた処方箋がなければ、入手できないものが多い。 ファミリー・ドクター同様、薬局も行きつけを決めておくとなにかとべんりである。 なんらかの持病をもっていて薬を携帯しなければならない場合 (例えば血圧を下げる薬など)、その薬の処方箋を所持しておいたほうがよい。 場合によっては命にかかわることである。 入国時に持ってこなかった場合、携帯薬が無くなる前に、日本側に問い合わせ、郵送してもらうべきだろう。 持病のある人、また幼児などの場合、日本の主治医による英文の診断書を何通か用意し、米国のファミリー・ドクターに引き継いでもらうことをすすめる。
 日本の医師と比べて、米国の医師はあまり薬を使わないからといって心配しないように。 また注射や点滴なども一般の開業医などでは、よほどのことがないかぎり行わない。 日本で使える薬などでも米国では使用を禁止されているものがあるので (例えば咳止めの注射)、注意したほうがいいだろう。

けが、病気をしたときの心得 (Emergencies)

 病気になった時は、まずファミリー・ドクターに連絡し、予約 (Appointment) をとる。 医師が一日の内に診療する患者の数は、限られている場合が多い。 したがって電話したその日の内に予約がとれることはめったにない。 健康診断などは、場合によっては1〜2週間も待たされることがある。軽い病気の場合は、このようにしてファミリー・ドクターを利用すればよいし、特種な病気の場合は、ファミリー・ドクターが病院もしくは専門医を紹介してくれる。
 患者が唸っているのに予約が2日先では、はなしにならない。 このような時に利用するのが Emergency Room である。 これは、日本の救急病院にあたり、たいていの病院には、この Emergency Room がある。 ファミリー・ドクターに連絡し事情を説明すれば、近くの Emergency Room を紹介してくれる。日本の救急病院と違い、気軽に利用できるようになっている。
 患者の状態が悪く自分たちで病院まで運び込むことができない時は、ただちに電話の911番を回して救急車を呼ぶ。 大切なのは、あわててこちらのほうから切らずに、先方に全部理解させた上で向こうから会話を終わらせるようにすることだろう。 米国には公共と民営の救急車があり、そのいずれも有料であるが、保険が適用される場合が多い。
 非常時、救急時に備え、必要な情報を英文で作成したカードを持っておくといざという時あわてないですむ。 英語に自信がなくてもそのカードを医師もしくは救急隊員に見せれば必要な処置を取ってもらえる。
 そのほか予約のとりかたや、救急車の呼びかたなど、いざという時に使う英語例文も書き込んでおいたほうがよい。
 その他、和英・英和辞典、持病のある人は英文の診断書、幼児の場合は母子手帳などを準備しておくと、たいへんべんりである。
 ここに主な医療英語を紹介するので、自分に必要だと思われる単語はカードに付け加えておこう。