パリに住む35歳のスポーツ記者イヴァンは、妻が一般人でないために日々の生活で悩まされ続けている。彼女は有名女優のシャルロット・ゲンズブール。2人で外出すると、イヴァンは彼女がサインや写真をせがまれるところを目の当たりにする。彼らは、深く愛し合っていながら落ち着いて出歩くこともままならなかった。そんな中、シャルロットが新作の撮影でロンドンへ経つことに。その共演相手が名うてのプレイボーイ、ジョンと知ってますます気が気でないイヴァンは、週末を利用してロンドンへ飛び、シャルロットの撮影現場を訪れるのだが…。
実生活でもパートナーである「愛を止めないで」「ラブetc.」のシャルロット・ゲンズブールと、俳優のイヴァン・アタルが実名で夫婦役に扮した、セルフ・パロディ的なラブ・コメディ。人気女優を妻に持った夫の苦悩する姿を面白可笑しく描く。イヴァン・アタルは監督・脚本も兼任、本作が彼の長編監督デビューとなる。
ブラッド・メルドー(Jazz Pianist)大ファンの私が、音楽サイドから興味をもったこの映画。最初は音楽しか期待していなかったけれど、実際はストーリーや演出がなかなか面白い映画でした!監督&主演のイヴァン・アタル、そして実生活でも、映画の中でも彼の妻である、シャルロット・ゲンズブールのファンにもなってしまいました。実生活でも夫婦で、実名そのままで、映画の中でも夫婦を演じてしまうなんて、ユニークですよね!
どうやらストーリーも、結構、実生活、実体験に基づいているらしいのです。飾らず、ありのままの自然体を表現しているのも、この映画の魅力の一つです。彼ら夫婦は2人ともプロの俳優。俳優業で味わった過去の辛い体験を、皮肉って映画の中で描いている部分も面白いです。監督・主演のアタルによると、ただインパクトを求めるだけの理由で、俳優の性器を撮りたがる監督は大勢いるそうです。しかし、アタルはこう言います。性器を映すことで、ストーリーの流れが止まり、性器を見せた俳優はその瞬間、観衆に、演じている役の「誰々」ではなく、実際の誰々、、、といったふうに判断されてしまう。だから実際俳優だったアタルは、思いがけないところで自分の性器がアップにされた経験を持ち、本当にその場面で性器を見せることが必要なのかどうか、、、と、監督ともめたことがあるそうです。監督に尊重されていない、と傷ついたのでしょうね。なので、その体験に基づき、とんでもないシーンがこの映画で描かれているんです。
ちょっとここで、主役2人の夫婦をご紹介しましょう。監督・主演のイヴァン・アタルは1965年イスラエル生まれ。(ユダヤ人なのでしょう。この背景もあり、映画の中で、姉夫婦の子供(男子)に割礼をさせるかどうかが、大きな問題になっていました。)2歳までテルアビブで過ごしその後フランスへ渡ります。演劇学校在学中に「ブルースが聞こえる」の舞台でデビューしTVにも出演。89年「愛さずにいられない」の助監督として働いていましたが、主人公の相棒役が決まっておらず、ひょんな事から演じることとなります。しかし思いの外これが好演技でセザール賞の新人賞を受賞。(映画の中で、花を演じる場面が出てくるのですが、これも実際の演劇学校での体験を描いたものだそうです。なかなか素晴らしい「花」でした!) 妻役のシャルロット・ゲンズブールは1971年イギリス・ロンドン生まれ。父親はミュージシャンであり監督の故セルジュ・ゲンズブール。母親は女優のジェーン・バーキン。幼い時から映画界に触れ、11歳の時、「残火」で映画デビュー。それを見たジェーンの現在の夫、ジャック・ドワイヨンによって「イザベルの誘惑」に出演。85年、「なまいきシャルロット」で初の主演を飾り、セザール賞の有望若手女優賞を受賞。 「愛を止めないで(1991)」でイヴァン・アタルとシャルロット・ゲンズブールは共演し、プライベートでもパートナーとなり、97年には男の子が産まれました。う〜〜ん、ステキなカップルです!
それから余談ですが、この監督(アタル)に惹かれた一つの理由として、フランス人(?)なのにハリウッド映画を完全否定しない所です。フランス語が母国語なのに、英語には独特なリズム感がある、才能がある、と英語を認め、尊重している所が、一般的にスノービーと思われているフランス人気取りではなく、好感が持てました。
最後に、、、当然この映画の中でも、ブラッド・メルドー・トリオの演奏は本当に素晴らしかったです!!!ピアノの一音、一音がとても印象的で心に響きました。何度聴いても、いつ聴いても、やはり素晴らしいのです!そう、ブラッド・メルドーの素晴らしさは、何度聴いても飽きないこと。そして、聴くたびに新しい魅力を感じる、、、何て奥深い「音色」なんだろう、、、って思います。
三村 奈々恵
データ
邦題: 公開日: 製作年: 製作国: ジャンル: 公式サイト:
僕の妻はシャルロット・ゲンズブール 2003年6月28日 2003年 フランス コメディ/ロマン http://www.mafemme-est-uneactrice.voila.fr/
キャスト&スタッフ
監督: 製作: 脚本: 撮影: 音楽: 出演:
イヴァン・アタル クロード・ベリ イヴァン・アタル レミー・シェヴラン ブラッド・メルドー シャルロット・ゲンズブール:シャルロット イヴァン・アタル:イヴァン テレンス・スタンプ:ジョン ノエミ・ルボフスキー:ナタリー
1997年、国立音楽大学を首席で卒業し、武岡賞受賞。 その後米国ボストンに渡り、ボストン音楽院で修士号を取得する。学生時代より国際コンクールで優勝を重ね、その卓越したテクニックと詩情豊かで ダイナミックなサウンドが評価され、史上3人目の「アロージ賞」を受賞。26歳の若さでバークリー音楽院講師を4年間務めた。現在東京在住。 趣味: 音楽鑑賞、映画鑑賞、読書、旅行、テニス 好きなもの: 音楽、芸術、文化、自然、子供、動物、 スペイン&中米のアート、イスラム建築