この映画は、実際にアフリカの小国シエラレオネで起こっていた、ダイヤモンドの利権争い、内戦を描いたものです。こんな事が、この同じ地球上で実際に行われている、とは。。。かなりの衝撃を受けました。何も知らない先進国のダイヤモンドの消費者は、美しいダイヤモンドの背景に、あんなにも恐ろしい事実があった事を、知る由もなかったでしょう。
シエラレオネは、ポルトガル人、イギリス人、フランス人などの白人社会に侵略され、1808年にイギリスの植民地となり、1961年に独立。1931年にダイヤモンド鉱が発見されています。ざっとシエラレオネの歴史を振り返っただけでも、とても複雑で、日本人の私にはとても理解しきれない悲惨な出来事が絡み合っています。反政府勢力、革命統一戦線「RUF」と政府軍の内戦は、1991年から2002年まで続き、内戦を大規模なものに招いた原因が、ダイヤモンド鉱山の利権争いだったのです。外貨獲得資源としてのダイヤモンドは、国際市場で高値で取引され、その利益の大部分は武器購入に宛てられていたそうです。
1998年、国連が初めて「紛争ダイヤモンド」が戦争資金の元になっていると指摘し、2000年に南アフリカのキンバリーで開かれた会合では、南部アフリカのダイヤモンド生産国は、紛争ダイヤモンドの取引を停止でき、ダイヤモンドを購入する人が、そのダイヤが暴力に加担していないものかを確かめることができる方法を策定したそうです。2001年に、世界ダイヤモンド取引所連盟と国際ダイヤモンド製造協会は、World Diamond Councilを創設し、2003年には、キンバリープロセス認証制度が導入され、今では、ダイヤモンド輸出国を査察し、出所が不詳な原石を取り扱う国家を指定し、紛争ダイヤモンドの市場流入を阻止する取り組みが行われている、との事です。
紛争が始まった当時、記者によって欧米各国にシエラレオネの現状が伝えられたようですが、何を書いてもほとんど注目されなかったようです。そうした陰に、Global WitnessというNGO団体が、紛争ダイヤを阻止すべく奮起した、という事実も、この映画を通して初めて知る事ができました。
内戦は終結したシエラレオネですが、これで一件落着、、、ではないようです。未だに密売は完全に阻止できているわけではなく、市場に出回っているようです。映画でも、この悲惨な状況を阻止するのは、消費者である、と訴えています。ダイヤモンドでなくとも、どんな商品も購入することは、その出所、企業を支持することになる、と、改めてこの映画を通して教えられました。消費者として、無責任であってはならない、と思いました。
今現在も大きな問題となっているのは、少年兵、そして元少年兵の社会復帰です。ゲリラなどによって、誘拐・拉致され、兵士として過酷な洗脳教育をされている少年兵は、未だアフリカで20万人を超えるようです。無罪の人の手足を切り落とすよう命じられたり、時には自分の親までも殺す事を強いられた少年兵たちの心の傷は、計り知れないものです。被害者である少年兵たちが、市民の虐殺や傷害、略奪行為に対する刑事責任がとわれ、議論が続いているのも、内戦が招いた悲劇の副産物の一つです。
何故、人は争うのか。。。何故、善良な市民、子供に、あんなにひどい事ができるのか、私には全く理解できません。世界中に助け合い、共生、協調の精神が広まる事を、強く願うばかりです。
映画製作のスタッフは、27カ国以上から結集し、製作期間は2年という、映画「Blood Diamond」。世界中の人々が協力して作られたこの映画と、同じ国の人間同士が争う映画の内容。色々と疑問や考えが、今後も後を引く映画でした。